SUNNYDAYのつくり手たちvol.4 陶芸家 上野剛児『「嘘のない」手から生まれる作品』

SUNNYDAYはだれがつくっているのか。

つくり手が分かると、不思議と安心したり愛着が湧く作品のように、

SUNNYDAYのつくり手について知っていただくことで、安心や親しみを感じていただきたい。そんな想いからSUNNYDAYをカタチづくっている仲間を紹介させていただきます。

どんな人がどんな想いで関わっている場所なのか、それぞれのストーリーを知ってみるとまた違ったSUNNYDAYが見えてくるかもしれません。

上野剛児

東かがわ市の陶芸作家。

徳島県出身。

自作の薪窯で焼締めの器を中心に製作。

SUNNYDAYでも上野さんの器を使用中。


デザイン業、海外を見て立ち返った「子供の頃の夢」

小学生の頃、年に一度、陶芸の授業がありました。窯から引っ張り出した真っ赤な熱々の土の塊が、外気に触れて冷めるにつれ、だんだん釉薬の色を帯びてくる。小学生の私の目には、それが魔法のように見えたのを覚えています。

自分の作品を校長先生に褒められたとき、「大人になったら焼物屋になろうかな」と、子供心に思っていました。


高校卒業を控え「陶芸の道は生活が大変だ」と聞かされた私は、興味のあった工業デザイナーを志し、デザインの専門学校へ進学。卒業後は自動車会社でカー用品のデザインに携わっていました。ですが、満員電車に揺られて通勤する日々の中、「これが自分の望む生き方なのだろうか?」と疑問を持つようになったんです。


どこかに解決の糸口はないかと、数々の旅行記を読むうちに、「今とは全く違う環境に身を置き、自分を試してみたい」という思いが強くなり、会社を辞めてワーキングホリデーのビザを取得しました。


一年間、カナダや東南アジアをバックパックで周り、その地で暮らす人達に出会いました。旅する中で自分の中に生まれたのは、「日本に帰ったら、自分もどこかに根を生やそう。パソコンのマウスを介しての物作りではなく、自分の手で、素材に直に触れた物作りをしよう」という思いでした。


帰国してしばらくしてから立ち寄った本屋で、ふと、陶芸の本が目に止まりました。ページをめくるうちに、蘇る子供の頃の夢。

「陶芸...もしかしたら、自分にはこれしかないかもしれん」。原点に戻った瞬間でした。




薪窯の焼き物から受け取った、原始的な感動

陶芸を職業として学べる場を求めて福井県窯業指導所に入所し、基本的な轆轤(ろくろ)の技術や、電気窯、ガス窯を使った焼成方法などを学びました。

そんなある時、薪窯を用いた作家さんから窯焚きを学ぶ機会を得たんです。そこで初めて、火の入った薪窯に対面しました。薪をくべれば立ち登る煙の香り、燠(おき)のはぜる音、夜空にきらめく星...。焼物を焼く原始的な行為と、それに伴う五感を刺激する感動。


窯を焚き終えた後の打ち上げの席で、私は釉薬の掛かっていない黒っぽい焼締めのぐい呑みを手にしました。その生命力あふれる姿に身惚れ、作家を紹介してもらい、訪ねることに。


和歌山の山奥にあるその工房では、焼物はもちろん、暮らし方にも独自の創意工夫が随所にあって。ここで学ばせてもらいたいと強く思い、弟子入りをお願いして受け入れて頂きました。


4年間修行した後、独立の地として選んだのは、実家のある徳島の県境を超えてすぐの、東かがわにあるこの地でした。家族や友人に手伝ってもらいながら、自らの手で工房を建て、窯を築きました。


日常的に使われ、愛されるものを目指して

目指すのは、大量生産の物とは違って1個1個味わいがありつつも、機能性も併せ持ったもの。「めっちゃ美人ではないけど、なんだかちょっと気になる子」というような作品です。

毎日当たり前に使われて、愛されるものであってほしいと思っています。


「本当は、こうなりたかったんだ」というセリフを言う人間にならないよう、自分に嘘をついたり、やりきっていないことがないよういつも心がけています。

今後も仕事に限らず、「今できること」に一生懸命、取り組んでいきたいです。



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